予防・メンテナンス
きれいな歯並びだと、歯ブラシがすみずみまで届くことで、結果的に虫歯や歯周病のリスクを低減できます。そのため、矯正治療で歯並びを整えることが大切です。しかし、矯正治療中は食べかすが矯正装置に詰まるうえに、歯ブラシもすみずみまで届きにくくなります。
また、矯正装置によって虫歯や歯周病が隠れて、発見が遅れてしまうケースもあるのです。
当院では、矯正治療前、治療中、治療後において、虫歯や歯周病のリスクを低減するためのブラッシング指導や口腔内のチェックなどを行っておりますので、どうぞご安心ください。
治療前のチェック
矯正治療を受けるには、事前に虫歯や歯周病のチェックが必要です。
1問診票への記入
日々のブラッシングや食習慣などを問診で確認いたします。
2虫歯や歯茎の状態のチェック
診査、検査によって虫歯や歯周病の有無を確認します。虫歯や歯周病がある場合は、矯正前に治療が必要です。当院では、患者さまのかかりつけ医に虫歯や歯周病の治療をご紹介しております。矯正治療に支障がない箇所の虫歯や歯周病については、矯正治療と並行して虫歯・歯周病治療を行えます。
3ブラッシング指導
矯正治療中でも質の高いブラッシングができるように、装置の周りやワイヤーの下、歯と歯茎のすき間などに分けて丁寧にお教えいたします。年齢の関係で、歯磨きの方法を1回の指導でマスターすることが難しい場合は、何度かご来院いただきます。また、親御さま主導による歯磨きをされている場合には、親御さまにも歯磨きの方法をお教えいたします。
治療中のチェック
矯正装置の種類によっては、すみずみまで磨くことが難しくなるため、定期的に虫歯や歯周病のチェックを行っております。
1定期健診
ご希望に応じて4ヶ月に1回程度の頻度で虫歯や歯周病のチェックを行い、早期発見・早期治療を目指しております。もし、虫歯や歯周病を発症していた場合は、患者さまのかかりつけ医にご紹介するか、当院で治療を行います。
2虫歯や歯茎の状態のチェック
虫歯や歯茎の状態を調べます。このとき、矯正治療によってバンドと呼ばれる装置が奥歯についている場合、レントゲンによる虫歯の状態の確認が難しくなります。
当院では、光を歯に当てることで虫歯の拡大の有無を確認できる装置を導入しておりますので、バンドを外す必要がありません。結果的に、虫歯を検査できます。
3筋機能療法(MFT)
口輪筋や頬筋、舌などの異常が見つかった場合には、筋機能療法による機能の改善を目指します。口の周りの筋肉の異常を改善することは、きれいな歯並びの維持に繋がります。
4歯並びを悪くする「くせ」の改善
指しゃぶり、舌や唇を噛む、爪や鉛筆を噛む、ほお杖や同じ側を下にして寝るなどの習慣は、歯並びを乱す原因です。癖の有無を確認し、必要に応じて改善を目指します。
治療後のチェック
矯正治療後は、歯並びの後戻りを防ぐために、リテーナーと呼ばれる保定装置を取り付けます。数ヶ月ごとにご来院いただき、お口の中の状態をチェックいたします。
後戻りを防ぐために
矯正治療後は、歯の後戻りを防ぐための処置が何よりも大切です。
歯の後戻りとは
歯の後戻りとは、矯正治療後に矯正前の歯並びに戻ってしまうことです。矯正装置を外した直後は、歯を支える骨が十分に固まっていないため、後戻りしたり新たに歯並びが乱れたりしやすいのです。
これは、表側矯正や裏側矯正、マウスピース矯正など、矯正治療の種類に関係なく起こる可能性があります。
歯の後戻りを防ぐ方法
歯の後戻りを防ぐために、リテーナーの装着によって歯並びを適度に固定します。矯正装置のように歯に強い力をかけないため、違和感などはほとんどありません。歯科医師の指示に従って、必要な期間だけリテーナーを装着していただくことが大切です。
リテーナーは簡単に取り外せるため、食事や歯磨きに支障をきたすことはございませんのでご安心ください。